アルバイトの外国人をそのまま正社員にしたい！特定活動４６号とは？

2023年6月26日 2023年6月26日

sakata satoshi

飲食店やコンビニ・小売店、ホテルなど多くの業界で人手不足に悩んでいる声を耳にします。
外国人留学生をアルバイトとして雇っている企業も多くありますが、
外国人がそのまま卒業後も同じように働くには就労ビザの制限があります。
ここでは就労ビザの一つ、「特定活動４６号」について解説します。

昔は外国人が単純労働をすることはできなかった！

コンビニや居酒屋の店員として、外国人をアルバイトを目にする機会は今では日常になっています。
実は彼らの多くは在留資格は「留学生」であり、あくまで学生期間のアルバイトとして働いているわけです。
日本人のようにフリーターとしてアルバイト専業で働くことは外国人にはできません。（そのような在留資格がないため）

例えば居酒屋のアルバイト店員として外国人留学生を雇っていたお店があるとします。
この外国人の方はホールスタッフとして２年間働いていました。
そして卒業後も同じお店でスタッフとして働きたいと考えました。
またお店側も熱心な勤務態度やアルバイト時代の実績も加味して正社員としての採用したいと考えました。

しかし「特定活動４６号」以外の就労ビザを取ってしまうと「現場作業・単純労働」ができないため
今までのようにホールスタッフとしては働けなくなってしまいます。

「特定活動４６号」がなかった時代には就労ビザを取るために単純労働はしないように誤魔化してビザを取得することもありました。
しかしそうした不正にビザを取得した場合、警察や入管に発覚した際には不法就労の罪に問われてしまうことになります。

そうした事態を防ぐためにも、労働力確保の一環として２０１９年に新しく創設されたのが「特定活動４６号」の在留資格です。
（「特定活動４６号」の詳細は下記のページも参照ください。）

アルバイトの仕事をそのまま続けられるのは「特定活動４６号」だけ！

上記で見たように一般的な就労ビザでは「現場作業・単純労働」は認められていません。
そのため卒業後もアルバイト時代と同じような業務を続けるためには「特定活動４６号」の在留資格を取得する必要があります。

「特定活動４６号」を取るということは正規雇用、つまり正社員になることを意味します。
なのでイメージとしては「アルバイト業務+その他の事務作業等」というように日本人の他の正社員と同じ位置づけになります。
給与等の待遇も外国人だからという理由で低く抑えることは法令違反になります。
あくまで一般の正社員と同じ待遇として外国人に働いてもらうということです。

最大の条件は「日本の４年制大学を卒業していること」

外国人留学生にとっても雇う側の企業にとってもメリットの多い「特定活動４６号」ですが、
最も高いハードルが「日本の４年制大学を卒業している」という条件です。

外国人留学生には母国の大学を卒業して日本語学校に通っている留学生も数多くいます。
「特定活動４６号」では「日本の大学」という条件があるため母国でどれほど優秀な大学を卒業していようと
日本の大学を卒業していない限り「特定活動４６号」の在留資格を取ることは不可能です。

逆に言うと日本の大学を卒業している外国人にとっては就職先が大きく広がることになります。
他の就労ビザの条件には「学歴要件」や「実務経験」が必要なため、条件に見合った企業とマッチすることが難しい場合もあります。
「特定活動４６号」ではそうした条件は不要なので幅広い業務で活躍するチャンスがあります。

「特定活動４６号」は人手不足解消の切り札になる

開始されて間もないため「特定活動４６号」の知名度はまだまだ低いのが現状です。
また「特定活動４６号」という名称も具体的にどんな在留資格なのか全くわからないため敬遠されがちです。

しかし上記で見たように、「特定活動４６号」には他の就労ビザにはない大きなメリットがあります。
現時点で最も汎用性の高い在留資格であるといっても過言ではありません。
また外国人側にとっても企業側にとってもメリットがあるという点も非常に評価できます。

人手不足に悩む飲食店やコンビニ小売店・ホテル業界にとっては
外国人人材の活用手段として大きな注目を集める存在になってくると思います。

外国人労働者の採用や確保でお悩みの方はぜひ当事務所へご相談ください。
会社の業務によって採用すべき外国人人材についてアドバイスを行うこともできます。

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