8/1より変更！「興行ビザ」が大幅緩和で海外アーティスト・アイドルを呼びやすくなる！

2023年8月1日より興行ビザが緩和されます。
かなり複雑であった「興行ビザ」ですが、今回の変更で従来よりも簡単に興行ビザが取れるパターンも出てきました。
ここではどう変更されたか、どのようなメリットが考えられるか、解説します。

パターン①過去に興行ビザで外国人を呼んでいた場合

今回の変更で新設された枠が「適正に実施している実績がある招へい機関が受け入れる場合」です。
つまり過去に興行ビザで外国人を呼んでいた場合、従来よりもはるかに簡素化した条件で興行ビザを取得することができる可能性があります。
このパターンの条件は下記のとおりです。4つとも満たす必要があります。

・通算３年以上、経営者か管理者に外国人興行の経験があること
・過去３年間、興行ビザで来日した外国人に報酬を全額支払っていること
・人身取引を行っていないこと、売春防止法等の罪により刑に処せられていないこと、暴力団員でないこと等
・経営者や従業員が労働関係法令や薬物法令に違反していないこと（外国人の興行に係る業務を適正に遂行する能力を有すること）

この条件を満たせば、興行ビザの条件をクリアできます。
従来は「2年以上の経験」や「5人以上の従業員」など様々な条件がありましたが、それも関係なく申請できます。

過去に興行ビザの実績がありトラブル等がない団体であれば、このパターンを使うメリットは大きいと考えられます。

パターン②実績はないが、問題が起こるおそれが少ない場合

今まで「興行ビザ２号」などと呼ばれていた枠がこのパターンに当てはまります。
今回の変更で一番メリットが大きいパターンになる可能性もありますのでしっかりと理解する必要があります。
まずは5つのパターンを列挙します。なお（１）～（３）は従来と変更がありません。
この５つのパターンのどれかに当てはまれば興行ビザの条件をクリアできます。

（１）国・地方公共団体等が主催するもの又は学校教育法に規定する学校等において行われるものであること
（２）国、地方公共団体等の資金援助を受けて設立された本邦の公私の機関が主催するものであること
（３）外国を題材にしたテーマパークで敷地面積１０万㎡以上の施設で行われるものであること
（４）客席における飲食物の有償提供がなく、客の接待を行わないものであって、客席部分の収容人員１００人以上又は非営利の施設で行われるものであること
（５）報酬１日５０万円以上であって、３０日を超えない期間本邦に在留して行われるものであること

ポイントになるのは（４）と（５）の部分です。
先に（５）を解説しますが、従来は「３０日」ではなく「１５日」でした。
今回「３０日」に延長されたことにより、より長期的なツアーや公演をできるようになりました。

そして今回の変更で最もメリットがあると思われるのが（４）の変更です。
今までライブハウス等の小規模会場でツアーやフェスを行う際、ネックになっていたのが（４）の条件でした。
バーカウンターでの飲食物の提供が認められず、定員１００名以上となっていたため条件をクリアするのに苦心していました。

今回の変更で

「客席において飲食物を有償で提供せず」の規定について
　　・　客席と一体性のある場所に設置されているバーカウンター等で飲食物を提供する場合であっても 客がバーカウンターにおいて飲食物を受け取り、自ら客席に運んで飲食する場合は、客席において飲食物を提供することには当たらないこととしました。

「客席部分の収容人員が百人以上である」の規定について
　　・　客席が設置されていないライブハウス等で、スタンディングで１００人以上収容できる施設も認められます。

としっかりと明記されました。
今まで禁止されてきたライブハウスのバーカウンターでの飲食物の提供が可能になり、
立ち見を含めた収容人数１００人以上であれば条件をクリアできます。

これはまさにライブハウスでの公演を念頭に置いたものであり、
今後は小規模会場でも海外アーティストやアイドルを呼んでのツアーやフェスの開催も容易になります。

パターン③上の２つのパターンのどちらにも当てはまらない場合

この場合は従来通り外国人や受け入れ団体、公演施設についての厳格な審査が要求されます。
今までも厳しい審査と言われていた「興行ビザ」ですので、できれば①か②のパターンで申請できるように検討されることをお勧めします。

大幅緩和のメリットを享受しよう！

アフターコロナの動きの中で政府も海外アーティストや海外アイドルの来日をバックアップする動きを見せています。
今回の大幅緩和は実務的なメリットも大きく、呼ぶ側の日本人にとっても呼ばれる側の海外アーティストらにとっても
今までよりも日本に来やすくなりました。

様々な条件が絡まりあって申請が難しいとされる「興行ビザ」ですが、
今回の緩和で今までよりも呼びやすくなるパターンも出てきました。

どのパターンに当てはまるかわからない、他のビザのほうが良いのではないかと心配になる方はぜひ当事務所へご相談ください。
他のビザも含めてどのビザが最も適しているか、一緒に検討させていただきます。

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