オーバーステイを解消する方法(在留特別許可とは)

橋の上で頭を抱えている外国人

何らかの事情で在留期間を過ぎても更新せずに不法滞在している外国人の方もいらっしゃいます。
無論法令違反なので警察や入管に見つかると収容され強制的に帰国させられる恐れがあります。
実は入管ではこうした不法滞在に悩む外国人に対して自主的な出頭を促すことを目指しています。
さらに引き続き日本での滞在を希望する外国人に対しての手続きも存在します。
ここではオーバーステイした際の「在留特別許可」について解説します。

在留特別許可はあくまで「特別」なもの

大前提として不法滞在をしている外国人は原則強制退去の対象となります。
日本の法律に違反して不法に滞在しているから当然といえば当然です。
しかし現実には様々な事情があり、人道的観点からも強制退去が適当ではない場合もあるのが実情です。
そこで入管としてはそうした外国人に「特別に」在留許可を与える措置があります。
「在留特別許可」は決められた要件を満たせば許可が出るものではなく、
入管が総合的に判断して許可を与えるかどうかを決めます。
申請すれば許可されるような簡単な手続きではなく、あくまでも特別な許可ということを念頭に置く必要があります。

在留特別許可を取るためには

在留特別許可は様々な要素を総合的に判断するため条件が決まっているわけではありませんが、
許可が下りるような要素の代表例をいくつか取り上げます。

①自主的に入管に出頭すること

入管や警察に捕まってからだとアウトです。これが非常に重要です。
不法滞在者はいつでも捕まる危険性があります。しかし捕まってからでは在留特別許可をもらうのには大変不利になります。
そのためいち早く出頭の準備を整えて自らの意思で入管へ出頭することが大切です。

②入管に出頭前に在留特別許可の準備をすること

入管へ出頭するときには在留特別許可の準備を済ませてから向かいます。
具体的には申請書類の準備です。入管も役所なのであくまで書類での手続きが必要となります。(この辺りは在留資格の変更や更新と同じです。)
不法滞在の理由や現在の生活状況や日本に残りたい理由など様々な事情を書面で提出します。
この内容が不適当だと在留特別許可がもらえる可能性は低くなります。

③日本に残りたい、残らなければならない理由があること

代表的な例としては下記のようなものが考えられます。
・日本人と結婚している
 例)不法滞在のまま日本人と結婚してしまい、このまま結婚生活を続けたいので在留特別許可をもらいたい
・小さな子供を育てている
 例)外国人夫婦の間に子供が生まれて現在は小学校に通っている。
・長年日本で働いている
 例)15年ほど日本に滞在しており、すでに日本に生活の基盤もあり今更母国に帰ることもできない。

これらの理由があれば必ず在留特別許可がもらえるわけではありません。
但し何の理由もなく日本に残れることはありません。

④法令違反や素行不良がない

もし法令違反や素行不良があった場合、在留特別許可が下りる可能性は低くなります。
他にポジティブな要素があれば入管も総合的に判断して許可を出す事例もありますが、
マイナスの影響を与えることは間違いありません。

在留特別許可が取れなかったら

自ら出頭したにも関わらず在留特別許可が取れない可能性も大いにあります。
その場合は強制退去の手続きに進みます。そうなると5年もしくは10年は入国許可が下りません。
その場合は一旦国外に退去し、「上陸特別許可」を申請していく流れになるかと思います。
在留特別許可の申請をするときには取れなかった場合の対処法も考えておくことも重要です。

まずは専門家に相談を!

在留特別許可の申請は非常に難易度の高い手続きです。
要件も決まっていないため、必ず許可が取れる正解も決まっていません。
不利な条件を意図的に隠したとしても入管では綿密に調査しますのでばれたときのダメージは計り知れないものがあります。
しかし在留特別許可をもらえれば、不法滞在に怯えることなく正規の滞在者として日本に留まることができます。

不法滞在でお悩みの方はまずは当事務所へご相談ください。
行政書士には守秘義務がありますのでお客様の秘密は厳守します。
在留特別許可をするにせよしないにせよ、不法滞在でお悩みの方はまずはご相談を!

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