就労ビザには学歴が重要?外国人の学歴問題について

メモを見ながら話し合うスーツ姿の外国人4人

2023年現在、外国人が働くための在留資格(いわゆる就労ビザ)にはいくつかの種類があります。
そのなかには学歴が重要な条件になっているものもあります。
ここでは外国人の学歴と就労ビザの関係について解説します。

①日本の大学を卒業した外国人について

日本の大学を卒業した外国人については幅広い選択肢が考えられます。
主な就労ビザは下記の3つです。

・「特定活動46号」ビザ → 日本の大学を卒業することが条件
・「技術・人文知識・国際業務」ビザ → 大学時代の専攻科目と業務の関連性が条件
・「特定技能」ビザ → 技能試験+日本語試験に合格することが条件

日本の大学を卒業した外国人は、日本人と同じように就職活動することが多いようです。
企業側も日本の大学を卒業した優秀な外国人人材を積極的に採用したいというところもあり、
就労ビザについてもそれほど難易度が高くないケースが多いです。

②外国の大学のみを卒業した外国人について

日本では大学を卒業していないが、母国の大学を卒業した外国人の方もいらっしゃいます。
彼らは日本の専門学校や日本語学校に通っていることもあります。

・「技術・人文知識・国際業務」ビザ → 大学時代または専門学校時代の専攻科目と業務の関連性が条件
・「特定技能」ビザ → 技能試験+日本語試験に合格することが条件

「技術・人文知識・国際業務」ビザは最も一般的な就労ビザで現在日本で働いている外国人の方の多くが持っています。
ポイントは大学時代もしくは専門学校時代の専攻科目と業務の関連性が認められないと就労ビザの許可が下りない点です。

学校の成績表と就職する企業の勤務内容を見比べてみて関連性があるかどうかをチェックします。
外国の大学の場合でも成績表を取り寄せる必要があります。

学生時代の専攻科目と関連性のない業務を行っていると不法就労を疑われたり在留資格の更新が不許可になる恐れもあります。

③高校のみを卒業した外国人について

高卒の外国人については大きく2つのパターンに分かれます。

 ①小さいころから日本に住んでいる外国人
 ②大人になってから日本に来た外国人

①のケースに関しては「定住者」ビザなど様々なルートが考えられます。
事例ごとに細かく条件があるため今回は解説を割愛しますが通常の就労ビザとは違うルートもあるということです。

②のケースは少々難易度が高くなります。
日本で専門学校に通っている場合は「技術・人文知識・国際業務」ビザが適用されます。
この場合、専門学校時代の専攻科目と業務の関連性が大変重要になります。
大学卒に比べて専門学校卒の「技術・人文知識・国際業務」ビザは審査が厳しくなる傾向がありますので
しっかりと資料を揃えて申請する必要があります。

日本で大学や専門学校に通っていない外国人には「特定技能」ビザをお勧めします。
こちらは学歴の条件がないため、「特定技能」ビザ専用の技能試験+日本語試験に合格すれば働けるチャンスがあります。

「特定技能」ビザは2019年に始まった新しい在留資格で、従来の就労ビザでは働くことができなかった外国人にも
就労のチャンスが生まれています。
企業側にとっても従来の就労ビザでは禁止されていた現場作業ができるようになるなどのメリットもあります。

企業側にも外国人側にも様々なメリットがあるため、今後「特定技能」ビザを活用した外国人採用の数も増えてくることが予想されます。

採用の際には必ず学歴をチェックすること

日本人を採用する際にも学歴は確認することと思います。
外国人の場合は同様あるいはそれ以上に学歴を確認する必要があります。

なぜなら学歴によってどの在留資格を申請するか、どの業務が可能になるかが変わってくるからです。
誤った在留資格を申請すると本来できるはずだった業務ができなくなる可能性もあります。
また意図せずに不法就労に抵触してしまい不法就労助長罪に問われる危険もあります。

採用の際には外国人・企業それぞれに事情があるので個別具体的に判断していくことになります。
外国人労働者の採用や確保でお悩みの方はぜひ当事務所へご相談ください。
会社の業務によって採用すべき外国人人材についてアドバイスを行うこともできます。

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