特定技能2号とは？1号との違いや今後について

2023年5月25日 2023年5月25日

sakata satoshi

２０２３年５月２３日に「特定技能2号」の受け入れ分野拡大の政府案が了承されたとの報道が発表されました。
今後の外国人労働者の在り方が大きく変わる可能性があります。
ここでは「特定技能2号」とは何か？今後どのように変わっていくのかということについて解説します。

特定技能1号と2号は大きく違う？

先日、大きなニュースとして「特定技能2号ビザの分野拡大案の了承」が報道されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230523/k10014075591000.html

「特定技能」ビザは２０１９年から始まった新しい在留資格です。（詳細は下記のページをご覧ください。）

当初から1号と2号の二種類の資格がありましたが、2号についてはあまり知らない方も多いと思います。
理由は簡単で「ほとんど適用されていない在留資格」だからです。
現状の「特定技能2号」ビザは「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみに限定されており、
2023年3月時点で「特定技能2号」ビザを持っているのは建設分野で11人のみです。全国で11人しか持っていない非常にレアな在留資格と言えます。
ちなみに「特定技能1号」ビザは約15万人が持っています。

特定技能2号は難しい？

「特定技能2号」ビザを持っている方が少ない理由は大きく2つあると思われます。

・分野が限られている（建設分野と造船・舶用工業の2分野のみ）
・試験が難しい（建設分野では職長レベルの熟練度が必要と言われている）

また特定技能2号になるためにはまず1号ビザを取得する必要があります。
特定技能自体が新しい制度なのでこれから2号ビザを目指す外国人労働者の方も多くなってくる可能性もありますが、
今の段階では要件の難しさもあって、2号ビザについてはほとんど適用されていません。

特定技能2号は1号よりもはるかにメリットがある！

「特定技能2号」ビザは1号の進化版ということで、1号を大きく超えるメリットがあります。

1号は最大5年間しか働けないが、2号は無期限で働ける

せっかく仕事にも慣れて戦力になってきた外国人労働者でも、1号ビザの場合は5年間しか働けません。
それ以上日本で働きたい場合は別の在留資格を取る必要がありますが、
1号ビザで働いていた業務と同じ業務をすることは難しいのが現状です。
（在留資格ごとにできる業務が分けられているため）

2号ビザでは継続して何年でも働くことができます。
日本人と同じように定年まで働くことももちろん可能です。
（在留資格の更新は行う必要があります。）

2号であれば永住権への道が拓ける

永住権の条件には「日本で5年間継続して働く」という条件があります。（就労ビザの場合）
しかし「特定技能1号」ビザで5年間働いても、その分は永住権の条件としてはカウントできないという特例があります。
そのため特定技能1号ビザで5年間働いた後は母国に帰るか、別の在留資格を取って日本で暮らすしか選択肢がないのが現状です。

「特定技能2号」ビザではこのような特例がありません。
5年間2号ビザで働いた方は永住権の条件を満たすことになります。（もちろん他にも永住権の条件はありますが。）

配偶者（夫や妻）や子どもを日本に呼び寄せることも可能

1号ビザでは配偶者や子どもを日本に呼び寄せることは原則できません。
つまり最大5年間、家族と離れ離れで暮らすことになります。

2号ビザは配偶者や子どもを呼び寄せることができます。

今後の注目は「試験の内容」

特定技能2号の適用分野が拡大された場合、気になるのは各分野の試験の内容です。
建設分野では非常に高いレベルの試験が設定されているようなので、他の分野でも相応に難易度の高い試験になる可能性も十分にあります。

1号と2号では全く違う在留資格と言っていいほど待遇も変わってきますので
日本社会に与えるインパクトもかなり大きなものになることが予想されます。

現時点ではまだ変更案の具体的な内容等は発表されていないため、
今後の動向を注視していく必要があります。

人材不足に悩む業界や会社にとって、単純労働が可能な「特定技能」ビザは労働力確保の手段として
検討すべきアイデアとして注目を集めています。

外国人労働者の採用や確保でお悩みの方はぜひ当事務所へご相談ください。
会社の業務によって採用すべき外国人人材についてアドバイスを行うこともできます。

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